カテゴリー別アーカイブ: マンガ

【サンダーバード】新時代の国際救助隊に欠けていたもの

つまり、時代が変わってしまっていることを吸収しきれていないということなんだ。

恋愛ものと同じで、問題は(いつだって)携帯電話・スマホだ。携帯電話の無い郷愁の時代を描くのか、何らかの形で携帯電話の無い(あるいは必要の無い)シチュエーションを描くのか、恋愛ものはその二つのどちらかを選ばないと恋愛ものは「今すぐ逢いたい」というもどかしさそのほかを描き得ないだろう。あるいは、スマホが普及しきった時代を舞台に、新しい何かを描けるのかということだ。

国際救助隊だって、今いる、すぐいる、たくさんいる……というレンタル用品の近藤産興に電話したくなるのと同じように、「いま」「すぐ」「たくさん」(?) 呼びたくなるわけだから、現代(2013年ごろ以降の”スマホ現代”)においてはそれを切り離せない。だから、あるべき国際救助隊は専用アプリを配布していることだろう。どこからでも救助を求められるアプリだ。正体不明ではAppleは認可しないだろうから(笑)Androidアプリだな。

……となると、それはもう全国タクシー配車アプリとどう違うのか(笑)。そこから感動的な物語が作れるとは思えない。過去のサンダーバードは、救助を求める「通信」がごく一部の者の特権だから物語が成り立っていたのだと良くわかる。

では、誰もがスマホを持っているスマホ現代を舞台とした救難の物語を描くとするならそれはどうあるべきか。……あれ? それはアレだぞ。ほら、他のエントリで私が書いた通り『ガッチャマンクラウズ』の重要性が立ちのぼってくる((c)孤独のグルメ)。軍も認める一種のNPO法人として描こうとしているらしい新しい国際救助隊の方向性と、一般民間人と消防署長などとのフラットな付き合いを描こうとするガッチャマンクラウズには近いところがあることだしな。そしてその視点をもってすればやはり、サンダーバードが描くような「命の危機にあって助けてほしい個人と世界規模の集団」というよりは、生活圏の中での公共サービスの溶け込みという一種ネオ消防団っぽいきめ細やかさで配置される理想の消防署規模というものが必要とされていることを希求するガッチャマンクラウズがより現代(スマホ現代)的といえる。

少し話が逸れるが、そういう地域性を描く物語として、ドラマ版『HEAT』はもっと評価されても良い。無理矢理にでも映画版を成功させ、あらためてその前日譚としてのドラマ版『HEAT』に注目が集まると良いな。

そのようなわけで、スマホ現代においてはガッチャマンクラウズの重要性は高まるばかりだ。Huluでも配信中。ブルレイも安い(1枚のディスクに第一期が全話入っている)。今すぐご覧ください^_^。

『ちはやふる』にみる、少女マンガ(原作)のすばらしさ

『ちはやふる』、ご存じですか? ご存じですよね? ご存じじゃない?
競技かるたに青春を賭ける女子高生とその仲間を題材にしたマンガです。

原作マンガを先に少しずつ読み始めまして(感動)、そのあとテレビアニメが始まったのであまり期待せずに観始めて(感動)、そしてまた原作マンガを思い出したように少しずつ読んでみたりしているわけです。

そこで分かったのは(いわずもがなのことではあるのですが)、少女マンガ独特のコマ割りや独特の独白表現は、決してテレビの四角い画面の中では再現しきれないなということです。

つまるところ……マンガ『ちはやふる』は面白い!
物語冒頭はちょっとさわやかではない出来事も起こったりしますが、そこは乗り越えてぜひどうぞ。