日別アーカイブ: 2015年9月16日

「続篇はなくなりませんよ、正篇があるかぎりね!」(残念ながら)

「偽物はなくなりませんよ、本物がある限りね!」というのは偽物アートを扱うブラックジャック的アンチヒーロー(?)の活躍するマンガ『ギャラリーフェイク』に登場した或るライバルキャラの捨て台詞。

私は基本的に「続篇待ち望み厨」を冷やかな目でみる立場デス。
完結したばかりのテレビドラマやマンガを前に即座に「続篇があるとしたらこうする」とか言い出す連中はホント勘弁。
大感動熱血人情冷徹妖怪マンガ『うしおととら』が堂々完結した直後に「続篇…」と言い出したような人間とは絶対相容れない(実話(笑))。

尤も、続篇が無ければ生まれなかったキャラクターとかエピソードとか音楽とかいろいろ優れたものがあるのは確かです。
『帝国の逆襲』でのダース・ベーダーのテーマとかね。『宇宙戦艦ヤマト2』でのデスラーの各種名台詞とかね。『エイリアン2』とかね。『ターミネーター2』とかね。『バック・トゥ・ザ・フューチャー2、3』(一本の企画)とかね。

なんだかマンガやハリウッド映画ばかりだな。
最近の良作テレビドラマではNHK『植物男子ベランダー』とその続篇『植物男子ベランダー2』。これはどうよ。
「1」は綺麗に終わっていたと思うぞ。植物男子こと中年バツイチの植物ライターであるところの田口トモロヲが、「なじみの花屋」の美人店員であるところの楓さんこと岡本あずさが留学してしまうかもしれないことが分かるなか、幻想の楓さんのところにベランダーが手をふりながら走っていくところでエンド(ネタバレ)。……なのに、なのに、「2」の始まりは、ベランダーが「久々にブログを再開」(そう、このドラマは、主人公のブログ語りという形になっているのだ。大抵の視聴者は忘れているけど)したときにノートPCの前で居眠りして見た夢が、「1」のラストシーンだということになっている。

おいおいおいおい、じゃあ「1」と「2」の間には数カ月くらいの時間が横たわっていることになるぞ。その間、「なじみの花屋」に行かないということは考えられないわけで、その間のエピソードは? じゃあ楓さんの留学話はどうなったんだ?ということもあるわけで、なんとも気に入らない「2」の冒頭だったのである。そしてそれは「1」ラストでの感動を汚す?ことでもあった。

こういうところが「続篇」の嫌いなところなんだよなー。『2010年宇宙の旅』では映画でもクラークの小説でも、アメリカとロシアの対決ってことになってしまっていたが、正篇たる『2001年宇宙の旅』ではディスカバリー号は決してアメリカの宇宙船ではなく国連の船だったはず(うろ覚え)。こういう、何か大事なことをなかったことにしてしまう方式の続篇は嫌いだ。

で、冒頭の言葉に戻る。正篇がある限り、続篇はなくならない。あきらめましょう。
(『植物男子ベランダー2』をその後は観てないのかって? いや、あればあるで「2」も観てます。しかも最終回は多部未華子がゲストで登場! 見続けてヨカッタ、続篇バンザイ! ……ぁんの話だっけ?)

『植物男子ベランダー』の原作はいとうせいこうの『ボタニカル・ライフ 植物生活』。いとうが念頭に置いていたと言われるのが、カレル・チャペック(『山椒魚戦争』や『R.U.R』の人)の書いた『園芸家の一年』です。
平成27年9月16日21時現在、Kindle版は20%ポイント還元になっています。

(ああ、そうそう岡本あずさといえば『勇者ヨシヒコと魔王の城』とその続篇『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』についても触れたいが、それについてはこのエントリの続篇で、…えっ???? ……やっぱり続篇って大事だよなぁ…(笑))